少年期の弐 - 二
高校生活はこれぞ軟派の見本ともいえるようなメチャクチャな生活だった。
なんせ、家にはほとんど帰らない(親父も同様だからお互い顔を合わせることが
ほとんどない)学校にはろくに行かず、昼間はGFのM子の通っている女子高の
バレー部の部室でごろごろしていたが、こんな事は必ずばれるものである日突然
女子高の先生と私が通学(?)している高校の先生5,6人に囲まれ、さんざん
おこられたあげく目出度く停学一ヶ月の処分。
これは嬉しかった、どうどうと遊べる、ナイトライフのスタートだ!!
早速、昼間は寝ていて夕方頃になるとこっそり買っておいた大人風のシャツなんぞ
を着込みネオン街にGO!
金は財布にパンパンつまっていた(親父の金)
さて、きれいなお姉さんがうろうろしている国分町に来たものの、ガキの悲しさ
どこに入ってよいかわからない、ふと眼を上げると葵の紋が入ったクラブがあった。
ええい、行け、行け、将軍様のクラブだ!
お、ピアノの生演奏、大人の世界だ。
「いらっしゃいませ、あら、学生さん!?」うあー いい女
「いいえ、社会人ですけど」
「あら、どこかでお見かけしたような気がするけど」
「そうですか」
「どうぞ、こちらにおかけ下さい」
「・・・・・」
「ねえ、順子チャン、こちらのお客様セーさんに似ていない?」
「あ、ほんと、セーさんそっくり」
「失礼な事お聞きしますけど、お父さんの名前セー次郎さんと言わない?」
「う! そ、そうですけど、なにか?」
「わー うそ、セーさんの息子さんですって」
な、な、なんとよりによって親父の行きつけの店だった。
悪い事はできないもんだ、ああー いやな予感!?